きむらとしろうじんじんの『野点』in大槌 プレセミナーを開催しました!

「ひょうたん塾」のフィールドワーク演習として、きむらとしろうじんじんの『野点』のコーディネートをしている<谷中のおかって>より6月3日、4日に開催されたプレセミナーのレポートをさせていただきます。

 

まずは少し自己紹介をさせていただくと、

<谷中のおかって>は、東京の下町、谷中界隈を中心にアートイベントの企画・運営、コーディネートなどをおこなっている一般社団法人です。一昨年から谷中にて『野点』を主催したことがあるご縁で、今回の大槌町での開催に携わらせていただくことになりました。

 

きむらとしろうじんじんの『野点』は、陶芸釜・素焼きのお茶碗・うわぐすりなど陶芸道具一式をリヤカーに積んで、さまざまな場所で焼物づくりとお抹茶を楽しむ“陶芸お抹茶屋台”です。『野点』では、開催する場所やかかわる人によって、その土地、その時、出会った人とのご縁ならではのお茶会の場がまちにひらかれます。

 

ひょうたん塾のフィールドワーク演習では、『野点』の秋の本番に向けて、大槌町内外の方々とともにまちをめぐりながら、「まちのどこで開催しようか」、「どのようなお茶会の風景を思い描こうか」、「どのような方に来てもらおうか」などを参加者の方々と相談しながら、ささやかな憩いの場をひらく試みです。6月の今回は、全4クールに分けて実施されるフィールドワーク演習のプレ企画として、主に大槌町の方々を対象に実施しました。

 

プレセミナー1日目の6月3日。

まず、『野点』の企画説明をおこない、参加者とともに開催場所に対する意見交換をおこないました。この日は、説明会の会場となった大念寺さんのお近くにお住まいだった方や、桜木町の方などがご参加くださいました。


説明会/レクチャーの様子
説明会/レクチャーの様子

 

「どこに野点を置いたらいい風景になりそうか」「どこに野点をおいてみたいか」を参加者の方に伺ってみると、「やるならやっぱり城山でやりたい」「桜木町の児童公園はどうか」といった声が挙がり、それぞれのイメージした野点と個々に思い入れや思い出のある場所とが重なり合った意見がつぎつぎに出てきました。

 

「あまり人が押し掛けない場所でおこないたい。人がバーと集まると、私がはいってもいいのかなと戸惑う人もでてくるから」という意見もあり、どのような人が来てくれるかというイメージも膨らんでいきました。

 

 お昼を食べた後、午前中に意見の出た、野点の候補地となりそうな場所に実際に足を運ぶ散歩会を開始しました。車で移動しながら、まずは城山の頂上へ。本丸と呼ばれる頂上は、芝生に包まれ、四方八方が見渡せます。家族や友人と訪れた思い出がどの方にもあり、地元の方にとって特別な場所なのだと実感しました。


城山の本丸にて
城山の本丸にて

 

少し麓に近い場所に、東山。ここには、小さな東屋もあります。

 

城山の東屋より
城山の東屋より

 

次に私たちが訪れたのは、吉里吉里エリアです。ちなみに吉里吉里は、井上ひさしの小説「吉里吉里人」の舞台とされた場所です。はじめに新緑が茂った山間にある浜を背にしながら、立派で大きなお寺・吉祥寺へ伺いました。次においしい料理や磯ラーメンが評判の、さんずろ家さんの駐車場付近から海を眺めました。

 

さんずろやの横階段にて
さんずろやの横階段にて

 

さんずろ家さんを少し南下して次に訪れたのが、浪板観光ホテルと浪板海岸です。ホテルは震災の際に津波に襲われ、現在は営業されていませんが、地元の方にとって誰もが知る観光ホテルだったようです。浪板海岸も、夏には家族で海水浴に来たりなど、思い出深い場所の様子でした。


ホテル横に流れ着いた石碑
ホテル横に流れ着いた石碑

 

その後も、車で移動しながら、さまざまな場所を訪れました。時折、地元の参加者やご同行して下さった大念寺の和尚さんがまちの歴史的経緯や被災時の状況の話をしてくださいました。

 

午前中の説明会の際に挙った、桜木の児童公園にも訪れました。この界隈も、震災時に津波の被害を受けましたが、比較的家の残った方が多く、今現在も家を修繕してこの場所に住まわれている方もいらっしゃるようです。

公園は、桜木町西側のつきあたりにあり、ちょうどいい広さのなんとも遊びたくなる風情の公園でした。



桜木町の道路にて
桜木町の道路にて
桜木町の児童公園
桜木町の児童公園
大槌の町立図書館の横
大槌の町立図書館の横

 

最終的にこの日は、10カ所以上の候補地をまわり、夕方頃に大念寺へ戻りました。一息つきながら、今まで見てきた場所について振り返る茶話会をおこない、これまで案として挙がっていた場所の中で、この日に行けなかった所は、翌日見にいくことに!

 

プレセミナー2回目の6月4日。

この日は少し天気が曇っていましたが、前日と同様の流れでプログラムをおこないました。前日の参加者の方とはまた異なる地域にお住まいの方や、年齢もさまざまな方がご参加くださいました。参加者の声を参考に、この日は旧大槌駅周辺の須賀町、安度、赤浜エリアを中心に筋山の展望台にも行ってみようということになりました。

 

 まずは、かつては商店街があったという話を聞きながら、大槌駅のあった場所跡を見にいきました。このエリアは、湧水(ゆうすい)が豊富な地域でもあり、現在も地下からこんこんと水が湧き出しています。震災前までは、各家庭で日常的に生活用水として、また飲み水としても使われていたそうです。じっさいにこの地域の出身の方にお話を伺いながらまちを巡ると、まちの方々が生活していた様子が目に浮かぶようでした。

 

大槌駅近辺
大槌駅近辺

 

安渡小学校の敷地内には現在、仮設住宅が建てられています。ここでは、小学校にある公民館の館長とお会いできました。


 

安渡小学校
安渡小学校

 

 

安渡小学校にほど近い大槌稲荷神社は、少し高台になっていて、安渡のまちの様子が見渡せます。神社のすぐ麓まで、津波が押し寄せた様子が伺えました。急な石階段を少し緊張気味に降りると、立派なお稲荷さんの像があります。

 

大槌稲荷神社の高台にて
大槌稲荷神社の高台にて

 

その後、ひょうたん島のモデルになったと言われている「蓬莱島」を、東京大学海洋研究所を背にしながら湾から眺めました。近くの酒屋さんのお話によると、島には他にも呼び名があって「弁天島」や「珊瑚島」とも呼ばれていたそうです。昔からこの土地の人たちに愛でられてきた島なのだなと改めて実感しました。霞がかった山と穏やかな海とがとても幻想的で、思わず無口になって見入るばかり。


 

目の前は蓬莱島
目の前は蓬莱島

 

 

瓦礫が撤去された更地の脇道を歩いていると、パンジーやトルコキキョウやアネモネなど、さまざまな花たちがひっそりと色鮮やかに咲き誇っているのも印象的でした。


展望台より
展望台より
さて、みんなの目線の矛先にいる大きな葉は、何という植物は何でしょう?
さて、みんなの目線の矛先にいる大きな葉は、何という植物は何でしょう?

 

展望台から霞の向こうにかすかに見える大槌湾を眺めた後、京菓子屋さん「もりかまど」にて、ひと休み。通されたお座敷にはなんと、お抹茶の道具があり、図らずもお抹茶でのお茶会になりました。参加者の方からのリクエストもあり、じんじんさんにお抹茶を点ててもらえることに!こんなお散歩会は、私たちも初めてです。

 

「もりかまど」にて
「もりかまど」にて

 

大念寺さんに戻り、この日の茶話会では、大きな地図にこれまで見てきた場所の印象を書き込んでいきました。「野点に訪れながらも、その周辺の場所も少し歩いてみたりしている人がいる風景がいいと思う」と、野点のイメージとそれぞれの場所のイメージ組みを合わせながら、具体的な景色を思い浮かべる方も。

 

大地図にメモ
大地図にメモ

 

最後には、大きな地図もメモでいっぱいになりました。またここからさらにいろいろな方の視点や思いが加わり、秋の野点の風景が見えてくることを期待しつつ、今回のプレセミナーを終えました。

 

私たちの想像以上に、参加者の方にさまざまな候補地を挙げていただいたり、エピソードや思い出を語って下さり、結果的に、恥ずかしながら大槌界隈についてまだまだ知らないことだらけの私たちが、色々な場所について教えていただくことが多いという会にもなりました。

ご参加いただいた方々には感謝のかぎりです。

 

7月15日からはいよいよ第1クールが始まります。大槌町の方はもちろん、まちの外からの参加者も募集していますので、ぜひご参加ください。参加申込み受付中です!

 

9月の本番まで、さまざまな人との出会いを紡ぎながら、散歩会や話し合いの場を通じて、関わった人たちそれぞれの思いや営みが感じられる大槌ならではの野点が繰り広げられることを目指したいと思います。

 

大槌のみなさま、ひょうたん塾のみなさま、今後ともよろしくお願いいたします!

 

 

 

2012年6月18日 〈谷中のおかって〉渡辺梨恵子 畑まりあ

 

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